日本のハイテク産業を支えるレアアース。地層が新しい日本には、鉱業化できる鉱山はありません。東京から1,800kmの南鳥島の深海底に大量のレアアース泥が見つかったことは喜ばしいことですが、深度5,000〜6,000mの海底から引き揚げられる採算性のある技術は、まだ確立されていません。
今、世界シェアの90%ほどを持っている中国も重レアアースでは不足分をミャンマーから輸入しています。
ミャンマーと中国の国境近くで採掘されるレアアースは中国から来るトラックに積んで運ばれます。
買い手は中国だけなので、価格の決定は中国主導です。
ミャンマーは日本にぜひ買って欲しい希望はあるのですが、日本には買う企業がない。
なぜなら、日本にはレアアースの精錬設備がないのです。
日本だけでなく、先進国にはレアアースの精錬設備がないのです。
その大きな理由は2つ
1) レアアースの採掘には公害が付きもの
2) 同時に採掘される放射性レアアース、トリウムの処理が困難
先進国ではこの2つの問題を危惧して、精錬設備を設けてきませんでした。
中国だけがこれらを垂れ流しの状態で、シェアのほとんどを確保したのです。
当社に高品質のイオン吸着鉱2,000トンの売り込みがありました。
経産省や大手企業に紹介したのですが、どこも手を出しません。
国内に精錬施設ができるまで、どこもやりようがないのです。
結局、中国に買われてしまいました。
残念ながら、当分の間は中国独占の状態が続きそうです。
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